研究課題/領域番号 |
25870585
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
渡部 有隆 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (30510408)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プログラミング言語 / 学習支援システム |
研究概要 |
本研究の目的は、プログラムの自動採点システムに新しいタイプのプログラミング言語を対応させ、本プログラミング言語と自動採点システム双方の技術・サービスを推進することである。将来的に教育・研究・ソフトウェア開発の現場に貢献することができる学習システム及びプログラミング言語の開発を図る。本言語は、学習支援システムにおける教育資料の作成及び各分野における情報資源の表現手法への応用が期待できる。今年度は、これらの技術の融合に向けてそれぞれのシステムの研究開発を遂行した。本プログラミング言語は、プログラマや学習者が思い描くモデルやアルゴリズムをより直接的に表現・記述が行えるよう、ピクチャによる拡張文字・動画を基本言語要素とし、アノテーションによるドキュメント化を同時に行えるよう設計された言語である。そのため、プログラムの作成にはテキストエディタではなく、専用のビジュアルエディタ(インタフェース)が必要となる。今年度は、本エディタの開発へ向け、WEBシステムの開発環境を取り巻く技術調査を含めた設計を行い、またより簡潔な操作でプログラムが作成できるよう、拡張文字の挿入・補間方法やアノテーションの添付方法を考慮したうえでユースケースを見直し、実装作業を進めた。また、本プログラミング言語によるコードから既存言語のコードへ変換するためのコンパイラの修正・開発を行った。これは双方の環境を繋ぐAPIの一部である。今後は、言語要素拡充のための事例研究の追加、対応する学習資料の作成に取り組む。言語開発に関して、本年度の研究成果は主要学会IEEE Symposium on Visual Languages and Human-Centric Computing (VL/HCC) 2014 にて発表される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の達成度については、昨今のWEB開発環境を取り巻く技術革新(フレームワークや開発言語等)に備えた調査や、エディタのユースケースの見直し等で若干の遅れは生じているが、当初の案よりも操作性の優れたインタフェース及びアーキテクチャを設計することができたため、最終的な目的達成のために必要な工程であったと考えられる。一方、データベースの更新、サーバの増設など統合へ向けた準備は計画通りに行われた。研究全体の目的の達成度を評価するためには、次年度以降に計画している言語要素の拡充と学習資料の作成、及び双方のシステムを統合した環境での評価が必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は言語の拡張及び学習資料の作成を行う。具体的には言語要素をデータベースに追加し、それらに対応する学習資料については、グラフ・ネットワーク、計算幾何学、各種シミュレーションなどの分野を検討し、言語要素と共に作成する。また、プログラムの実行結果を可視化するビジュアライザの開発を行う。研究を推進する方法として、実際の教育現場(大学院・学部の授業や課外活動)において言語・環境のプロトタイプを活用し、フィードバックに基づく改善を図るが、研究段階での実機への移行は慎重に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度旅費計画分。 25年度成果を26年度(7月)開催の国際学会にて発表予定(採択済み)。
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