アルツハイマー病(AD)モデル動物の認知機能を検討する際に様々な課題を用いるが、近年、課題自体のストレスが認知機能の低下を引き起こすことが報告され、ストレスを生じるような課題はADの認知機能評価に相応しくないことが考えられる。 私は海馬依存的学習記憶課題であるがストレスを生じにくい「居住型迷路課題(非空間的課題)」と「バーンズ迷路(空間的課題)」を用いて、ADモデルラットの認知機能障害を検討した。 結果、ADモデルラットは居住型迷路課題とバーンズ迷路課題において新規学習は可能であるが、記憶の保持(保持期間は5週間)ができなくなっていることがわかった。また単独飼育が障害の出現を早めることがわかった。
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