芳香族アミノ酸「ドーパ」は植物根圏において異種間生長抑制作用をもたらすアレロケミカルであり、本研究ではドーパの濃度調節を介して植物(宿主)とコミュニケーションする細菌としてPseudomonas putidaに着目した。本菌種はドーパをドーパミンに変換する「芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)」を有し、本酵素活性によりドーパがもたらすアレロパシーを軽減できる。研究の結果、ドーパ存在下において本菌がAADCの転写活性を選択的に誘導していることをDNAマイクロアレイにより確認し、本転写誘導に関与する機能未知ORFを得ることにも成功した。本結果は、AADCを介した共生モデルの詳細に迫るものである。
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