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2013 年度 実施状況報告書

1回膜貫通型糖蛋白質GPNMBの小胞体および酸化ストレス応答機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25870605
研究種目

若手研究(B)

研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

鶴間 一寛  岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (50524980)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードGPNMB / 小胞体ストレス / GRP78 / 発現調節
研究概要

小胞体ストレスに対するGlycoprotein non-metastatic melanoma B (GPNMB)の機能解析するために、小胞体ストレス時にGPNMBの発現に変化が認められるか、マウス運動神経様細胞(NSC-34)を用いてRT-PCR法により解析した。Thapsigarginによる小胞体ストレスを惹起させた1時間後に蛋白質レベルでのGPNMBの発現増加が認められ、小胞体ストレスに対して即座に応答する因子である可能性が示唆された。また、siRNAを用いたGPNMBのノックダウンにより小胞体に存在するシャペロン分子である細胞保護的に機能するGRP78(BiP)の発現低下が認められ、小胞体ストレスによる細胞死が増加した。ストレス非存在下ではGRP78の発現および細胞死に影響しなかったことから、GPNMBは小胞体ストレス時にのみGRP78の発現調節に関与している可能性が示唆された。
また、GPNMBのsiRNAを用いて小胞体ストレス時に増加する他の分子(GRP94、calreticulin)についても検討したところ、GPNMBによる発現調節を受けていなかった。さらに、小胞体ストレスセンサー分子であるeIF2α、ATF6およびXBP1の活性化にも影響がなかったことから、GPNMBはGRP78特異的に小胞体ストレス時における発現調節を行っている可能性を明らかにした。
小胞体ストレス時におけるGPNMBの細胞内局在を免疫染色法で検討したところ、通常時は細胞質に存在していたGPNMBが小胞体ストレス時に核内にも存在することが明らかとなった。一方、GRP78遺伝子のプロモーター領域に存在する小胞体ストレス応答配列(ERSE)を用いたルシフェラーゼアッセイでは影響がなかったことから、GPNMBによるGRP78の発現調節は転写調節によるものではないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では、今年度にGPNMBによるGRP78の発現調整の分子機構の解明を行う予定であったが、今年度は①小胞体ストレス時にGRP78のみに特異的に調節している、②小胞体ストレスセンサー分子や小胞体ストレス応答配列等に影響しない、③細胞内局在の変化ことを明らかにした。GPNMB欠質変異体を用いたGRP78発現調節ドメインの同定、GRP78 mRNAスプライシングに対するGPNMBの影響については、実験系を作製中であり今後の検討課題としている。

今後の研究の推進方策

平成26年度はまずGPNMB欠質変異体を用いたGRP78発現調節ドメインの同定を行う。また、GRP78 mRNAスプライシングに対する影響についてはノーザンブロット法、in vitro splicing assay等により確認する。さらに、GPNMBノックアウト細胞を作製して、小胞体ストレスにおけるGPNMBの機能をより明確にする。
これらの系を用いて、小胞体ストレス以外のストレスである酸化ストレスに対してGPNMBが同様な作用を有するか検討する。すなわち、酸化ストレス対してGPNMBタンパク質の発現増加の確認、細胞死に対する保護作用、さらにGPNMBによって直接制御されている遺伝子の同定を試みる。

次年度の研究費の使用計画

GPNMBノックアウト細胞の作製やmRNAスプライシングに対する影響の実験が遅れたため。
non-RIノーザンブロット法、GPNMBノックアウト細胞作製(TALEN)、in vitro splicing assayなどに使用する。
また、ゼブラフィッシュを用いたin vivoでの評価も検討中であり、モルフォリノオリゴなどを購入予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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