本研究の目的は既治療小細胞肺癌の中心的治療薬になりつつあるアムルビシンについて個別化医療につながるバイオマーカーを明らかにすることである。まず我々は主要な薬剤排泄ポンプの一つであるP-glycoprotein(ABCB1)の一塩基多型とアムルビシン治療中の好中球減少の程度の間に有意な関連性を見出した。続いてアムルビシノールのAUC値が好中球減少の程度に関与する結果を得たが、アムルビシノールの血中濃度を制御する因子は特定できなかった。現在、アムルビシンの薬理作用に関与しうる新たな因子として薬剤取り込みポンプであるorganic cation transporterに着目して研究を継続中である。
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