研究課題/領域番号 |
25870619
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
羽多野 裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30516034)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 患者会 / がんサロン / がんサバイバー |
研究概要 |
初年度は患者会の参加や認知度の実態を明らかとすることが目的であった。しかし大学の倫理審査に予想以上の時間を費やしたことでアンケートの配布開始が遅くなり、現在もアンケートは配布と回収を継続中である。 平成25年度最終時点で36人の通院患者より調査票を回収。京都医療センターおよび北部医療センター以外の京都府がん拠点病院は調査協力の承諾を得ることができ、それぞれ倫理審査や段取りの調整など準備を進めてもらっている。調査終了時点では返信は京都府立医大および福知山市民病院からのみであるが、今後は実施施設数も増えていく予定である。 36人の通院患者の患者背景として平均年齢63.7歳、性差はおよそ半数ずつであった。患者会もしくはがんサロンを知っていると答えた患者は53%(19人)であったが、実際に参加したことのある患者はそのうち2人のみであった。参加しない理由としては「友人や家族が支えてくれるから」「病気の話をすることで余計につらくなるから」など様々であった。参加経験のある2人の参加状況は以下のとおりであった:1)69歳(女)肺がん、参加回数:6回、参加頻度:1回/2ヶ月、参加理由:治療や病気についての情報を得る、他の患者さんの闘病体験を知るため、心配事を聞いてもらうため 2)70歳(女)乳がん、参加回数:15回、参加頻度:1回/2ヶ月、参加理由:治療や病気についての情報を得る、他の患者さんの闘病体験を知るため。うつ病の可能性がある患者(PHQ9合計点=>10点)は18.2%(6/33)であった。また転移・再発があるほうが有意ではないが抑うつ傾向が強い傾向にあった(PHQ9合計点 5.3 vs 4.9 : p=0.69)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の研究は、大学の倫理審査に時間がかかったことで調査開始が当初の見込みより遅くなり、調査期間も短く実態調査および介入調査ともに不十分となった。今後も継続調査を行い多施設からより多くの調査票を集め実態把握を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き症例を集積し患者会を認識し参加する動機を得るまでのプロセスについても明らかとしていく。 今回は健康尺度として抑うつ症状を測定しているが、まだn数は少ないもののうつ病が疑われる患者が約2割もおり、これらの患者の介入については今後介入研究を考える上では検討が必要である。多くの患者が院内の案内について認識していることを考えると案内に精神的ケアについての文言を追加するなどの工夫により、潜在的ニーズをもつ患者の関心を引くことができるかもしれない。
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次年度の研究費の使用計画 |
大学の倫理審査に時間がかかったことで調査開始が当初の見込みより遅くなり、初年度の調査期間も短くなり予定よりも物品費等での出費が少なくなった。 次年度は調査を継続し計画の遅れを取り戻していきながら必要物品の購入も計画に合わせて行っていく。
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