研究課題/領域番号 |
25870619
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
羽多野 裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30516034)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 患者会 / がんサロン / がんサバイバー |
研究実績の概要 |
京都府下の8つのがん診療拠点病院に通院中のがん患者にアンケート調査を実施した。アンケートの配布は現在も進行中であるが、2015年2月時点で合計205人の患者より有効回答を得て中間解析を行っている。33人(16%)の患者がうつ病評価尺度であるPHQ-9の合計得点が10点以上であった。がんサバイバーシップに関連する問題については、PHQ-9得点が10点以上の患者が、10点未満の患者よりも多くの問題について悩んでいることが示唆された(平均5.3個 vs 平均1.9個 p<0.001)。PHQ-9得点10点以上を従属変数としたロジスティック回帰分析にて、「予期せぬ早い退院で困った」 (odds ratio [OR]: 26.6; 95% confidential interval [CI]: 2.2-315.9)、「友人関係を保つことがつらい」(OR: 16.4; 95%CI: 1.5-186.0)、「病気のせいで人生設計が狂った」(OR: 7.2; 95%CI: 2.3-22.1)、「独居」(OR: 4.0; 95%CI: 1.4-11.2)が有意に関連した。 患者会もしくはがんサロンについては200人中101人(51%)が知っていると答えたが、そのうち実際に参加したことのある患者は15人であった(7.5%)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
京都府下の各がん拠点病院にアンケート協力の依頼をする段取りに時間を費やしたため。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートの解析結果は中間報告として学会発表を行う予定である(Annual meeting of MASCC Jun2015 Copenhagen)。 アンケートの回収はほぼ終了しており引き続き結果の解析を行う。 結果により患者会の認知度や患者会に対する期待や参加を妨げる要因などが明らかとなると考えられるため、その結果を踏まえ患者会機能をより充実させる介入計画について早急に検討する。 まずは研究代表者が所属する病院にて試験的に小規模の介入計画を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の遅れから介入計画に関しての人的、物的費用を計画どおりに使用できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケートの集計解析を急ぎ、研究期間内での予算の使用を目指す。
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