難治性の癌である膵癌に対する新たな微小癌巣の診断法ならびに治療を開発することが目的である。5-aminolevulinic acid(5-ALA)はヘムの前駆体物質であり、内因性のアミノ酸である。5-ALAは代謝されると、蛍光物質であるprotoporphyrinIX(PpIX)を癌細胞内で蓄積する。18例の膵癌患者に5-ALAを術前に内服してもらい、術中に蛍光観察すると、蛍光陽性な腹膜結節を有する症例を2例認め、病理診断でも腹膜播種と診断された。 膵癌細胞株を5-ALAで処理すると、いずれの細胞株でもPpIXの蛍光を認め、LEDを照射するとコントロール群と比較すると有意に治療効果を認めた。
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