研究課題に基づき周術期心筋内のmiRNA発現量についてデータを収集した。平行して主成分分析・パスウェイ解析など多変量解析を用いて、細胞内情報伝達系への影響が大きいと考えられるmiRNAを探るべく検体数を増やしたものの、被験者の術前の心機能・合併症の影響など排除し得ないバイアスの存在により中々予想どおりの有意差を出せていない状況である。細胞内情報伝達系への影響がはっきりしない状況では臨床的な意義は低く、in vitroでの実験系も組みにくい状況である。今後患者の術前状況などを詳細に分類して前述のバイアスを可能な限り排除することで臨床的に意義のある結果へと昇華できるものと考えている。
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