本研究課題は、申請者ら着目しているカルコパイライト構造化合物の高熱電特性発現機構を解明し、そこで得た知見を基に、構成元素を環境負荷の低い元素に置き換え、さらに熱電特性を高効率化させる事を目標とした。最終的には、環境負荷の低い熱電材料として、Cu2ZnSnS4を選定し、320-720 Kでの熱電特性を評価した。この材料は、大気中でも不活性雰囲気中と変わらぬ熱電特性を示すことを明らかにした。しかしながら、高温下になるとデバイス作成時に電極材料となるPtとなんらかの反応を起こし、ZnS相が分離することから、デバイス作成時には、Cu2ZnSnS4とPtの間にバリア層が必要なことが示唆された。
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