正常な植物同士の交配では、時として雑種植物が正常に生育せず、枯死してしまうことがある。このような現象は雑種致死と呼ばれ、遠縁交雑を利用した植物育種の大きな障害となっている。本研究では、タバコ属植物を用いて雑種致死の解析を行い、雑種致死原因遺伝子をマッピングした。また、N. occidentalis 6系統とN. tabacumとの雑種における致死性を比較調査し、親とした系統によって異なる機構・表現型の致死性が生じることなどを明らかにした。さらに、特定の種間交雑では、致死性雑種だけではなく、正常な雑種が高頻度で出現する現象を見出しており、そのメカニズムを明らかにするためにいくつかの実験を行った。
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