地域で暮らす高齢者の皮膚の健康度に影響する生活習慣を明らかにすることを目的に、公共施設に来所した高齢者48名(男性18名、女性30名)を対象に構成面接法による生活実態の把握と皮膚角層水分量等を測定した。その結果、高齢者の実際の皮膚の乾燥状況や入浴習慣は個人差が大きいことが明らかになった。足背部はほぼ全員が乾燥していたが、乾燥の自覚やかゆみは伴っていなかった。対象者の約8割の者が皮膚の乾燥を自覚していたが、乾燥の自覚と実際の乾燥状況(水分量)とは関連しておらず、予防行動にはつながりにくいと考えられる。よって、今後は測定等を行い乾燥の自覚を促しつつ、予防方法の啓発につなげることが必要である。
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