研究課題/領域番号 |
25870646
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
四戸 智昭 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (70347186)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 不登校 / ひきこもり / 当事者の親 / グループ・ミーティング / 不安感 / 自助 |
研究概要 |
本研究の平成25年度における主な取り組みは、不登校やひきこもりの子を抱えた親たちが自主的に参加する自助的グループ・ミーティングにおいて、グループ・ミーティング(以下GM)の前後に参加する親たちに自己記入式の質問紙調査を行った。 GM開始前の質問紙調査では、1、「参加する親の基本属性(年齢、性別、子の年齢、子の性別、子のひきこもり期間、子がひきこもりに至る理由等)」。2、「GMへの参加意欲」。3、「現在抱えている主な問題を上位3つ」。4、「参加前の気持ちについて(自由記述)」の大きく4点について答えてもらった。 また、GMの終了時における質問紙調査では、1、「居心地のよい場所でしたか」。2、「他の仲間に話ができましたか」。3、「他の仲間の話をよく聞くことができましたか」。の大きく3点について答えてもらった。さらに、GMの前後では「GHQ-12(General Health Questionnaire)による不安感評価尺度」により、GMの前後で親たちの不安感の評価を行った。 平成25年度においては、GMに参加する親たちがGMに参加することで不安の軽減が促進されているかに特に重点をおいて研究に取り組んだ。その結果、GHQ-12(不安感評価尺度)の得点からは、GM開始前の平均得点と比べ、GM終了時の平均得点が優位に低くなっていることがわかり、GMに参加することで親たちの不安感が軽減されている事をうかがい知る事ができた。不登校やひきこもりの子を抱えた親たちにとって、同じ問題を抱えた当事者同士の自由なコミュニケーションが、親たちの不安の軽減に繋がり、さらには問題への対処に前向きになっていく点で、GMの効果は非常に大きいものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の初年度においては、不登校・ひきこもりの子を抱えた親たちの自助的なグループ・ミーティング(以下GM)において、親を対象に質問紙調査を行う事としていた。その主要な部分は、このGMを通じて親たちの不安感が軽減されているか否かを評価することであったが、当初の計画通り質問紙調査を実施し、GHQ-12(不安感評価尺度)の得点がGMの前より、後で得点が下がっていることがわかり、GMが親たちの不安軽減を促していると考えることができ、本研究が当初の計画通りおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度中に質問紙調査によって得ることができた親たちの不安感に関するデータについて、その属性や他の質問項目との関連性を分析するとともに、親たちの不安感をさらに軽減できるようなグループ・ミーティング(以下GM)の行い方についてさらに検討を加えていく。具体的には、親に対してどのような質問を行う事が、親の問題(子の不登校やひきこもり、夫婦関係等)に対する認識の仕方に変化を促すのかについて検討していきたい。 また、研究者は不登校やひきこもりの子を抱えた親たちの心理的特徴として、共依存関係(=親の子に対する過剰なケア、親の子に対するコントロール欲求等)がその中核にあると考えている。そのため、当初の計画通り、2年目以降の研究においては、GMに参加する親たちを対象に、自己記入式の質問紙調査「共依存測定尺度」を行い、親たちの共依存傾向について調査を行う予定である。
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