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2014 年度 実績報告書

歯由来幹細胞の口蓋裂部移植におけるMTAの役割

研究課題

研究課題/領域番号 25870663
研究機関奥羽大学

研究代表者

前田 豊信  奥羽大学, 歯学部, 助教 (10382756)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードMTA / 骨芽細胞 / 石灰化 / 小胞体ストレス / ATF6
研究実績の概要

本研究の成果として、 Mineral trioxide aggregate(MTA)が象牙芽細胞の分化促進のみでなく、直接的に骨芽細胞の分化・石灰化促進をすることとを見出した。また、この石灰化促進機構は、低濃度MTAによる、小胞体ストレス応答を伴うものであった。
本研究の目的であるMTAの骨誘導能を評価したところ、骨芽細胞の石灰化を促進した。しかし、この石灰化促進は、既知の初期分化促進因子の発現亢進をを伴うものではなかった。それにもかかわらず、MTAは骨芽細胞で、コラーゲンの合成促進と蓄積亢進を伴い、また、オステオカルシンの遺伝子発現増加と分泌量の増加を示した。
この機序につき、小胞体ストレス応答に注目し、解析を行ったところeIF2α/ATF4経路やOASIS発現の上昇は認められなかったが、ATF6遺伝子とタンパクレベルでの発現促進が確認できた。そこで、MTAによる何らかの刺激が小胞体ストレスとして作用し、ATF6の発現促進を介して、オステオカルシンの遺伝子発現を促進することで、石灰化促進に関与ているのでは、という仮説を立てて検証を行った。その結果、MTAの刺激によって、オステオカルシンプロモーター領域のATFREに結合する、p50 ATF6の増加が認められた。また、p50 ATF6の強制発現では、オステオカルシンの発現が有意に促進した。さらに、ATF6のshRNAを発現する安定細胞株では、MTAによるオステオカルシンの発現促進と石灰化の促進は認められなかった。
これらのことから、MTAは、ATF6の発現促進を介して、オステオカルシンの遺伝子・タンパク質の発現を促進する。このことで石灰化が促進していると考察できる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Mineral trioxide aggregate induces osteoblastogenesis via Atf6.2015

    • 著者名/発表者名
      Maeda T, Suzuki A, Yuzawa S, Baba Y, Kimura Y, Kato Y.
    • 雑誌名

      Bone Rep.

      巻: 2 ページ: 36-43

    • DOI

      10.1016/j.bonr.2015.03.003

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Deguelin Induced Apoptosis by Targeting both EGFR-Akt and IGF1R-Akt Pathways in Head and Neck Squamous Cell Cancer Cell Lines2015

    • 著者名/発表者名
      Baba Y, Fujii M, Maeda T, Suzuki A, Yuzawa S, Kato Y
    • 雑誌名

      Biomed Res Int.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      in press

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] CRISPR/Cas9を用いたMC3T3-E1細胞におけるGpr81遺伝子のノックアウト2015

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,湯澤仁,馬場優,加藤靖正
    • 雑誌名

      奥羽大学歯学誌

      巻: 41 ページ: 123-128

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Acidic extracellular pH promotes epithelial mesenchymal transition in Lewis lung carcinoma model.2014

    • 著者名/発表者名
      Suzuki A, Maeda T, Baba Y, Shimamura K, Kato Y.
    • 雑誌名

      Cancer Cell Int.

      巻: 14 ページ: 129

    • DOI

      10.1186/s12935-014-0129-1.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小胞体ストレスセンサーATF6を介した石灰化の一例2015

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,湯澤仁,阿部匡聡,加藤靖正
    • 学会等名
      東北骨代謝研究会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2015-02-01
  • [学会発表] MTAによるATF6を介した骨芽細胞の石灰化促進作用2014

    • 著者名/発表者名
      前田豊信, 原元信貴, 有馬英夫, 木村裕一
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会(141回)
    • 発表場所
      山形
    • 年月日
      2014-10-30 – 2014-10-31
  • [学会発表] MTAは骨芽細胞様細胞でATF6を介して石灰化を促進させる。2014

    • 著者名/発表者名
      前田豊信, 鈴木厚子, 湯澤仁, 阿部匡聡, 加藤靖正
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] MC3T3-E1細胞において、 MTAはATF6を介して石灰化を促進させる.2014

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,湯澤仁,阿部匡聡,加藤靖正
    • 学会等名
      第56回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2014-09-26 – 2014-09-27
  • [学会発表] Mineral Trioxide Aggregate セメントの骨形成作用2014

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,湯澤仁,馬場優,木村裕一,加藤靖正
    • 学会等名
      奥羽大学歯学会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      2014-06-14

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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