膵島移植は重症Ⅰ型糖尿病の有効な治療法であるが、ドナー不足という課題を有している。膵島細胞は、膵島分離から移植といった一連の医療行為のあいだに、障害を受け、最終的に生着する数は少ないと言われている。本研究では、膵島移植時に血管新生因子を産生する膵導管細胞を共移植することで、細胞死が抑制されるのではと仮説を立てた。新規ルシフェラーゼ産生マウス膵島を用いて移植効果を検討した。300膵島を肝内と腎被膜下へ移植した。移植部位での効果に差はなかった。膵導管細胞の共移植に移植効果は認めなかった。共移植のみでは、急性期の細胞障害を阻止することは難しく、さらなる細胞障害を軽減される工夫が必要と考えられた。
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