研究課題
本研究の目的は,地域在住高齢者に対するロコモーショントレーニングの効果を無作為化比較対照試験により検討することである。平成25年度には対象者の募集と選定,介入研究の事前準備を行った。研究対象者340人であり,ロコトレ介入群200人,コントロール群140人に無作為に割りつけた。平成26年3月より初期評価を開始した。平成26年度は3ヶ月後評価,6ヶ月後評価を実施し,その後解析を行い,両群間で介入効果を比較検討した。評価項目はアンケートにて年齢,性別,要介護度,ロコモティブシンドロームの状態(ロコモ25),栄養状態,運動習慣,QOL(EQ-5D)について聴取した。運動機能は握力,下肢筋力,片脚立ち時間,5回立ち上がりテスト,歩行速度に加えロコモ度テストである立ち上がりテストと2ステップテストを測定した。また身体組成として身長,体重,体脂肪率,筋肉量を測定した。 評価は初期,3ヶ月後,6ヶ月後に実施し,前述の項目を測定している。ロコトレ介入群にはロコモーショントレーニングとして,スクワット・片脚立ち・かかと上げの3種類の運動とウォーキングを指導し,6ヶ月間の間運動を継続するように指導した。またトレーニングノートも配布し,運動の実施状況を記載してもらうように伝えた。一方コントロール群は今までと変わらない生活をおくるように指導した。6ヶ月間の介入の結果,片脚立ち時間,最大歩行速度,2ステップテスト,5回立ち上がりテスト,体脂肪率,BMIに交互作用がみられた.さらにロコトレ介入群はコントロール群と比較して,6ヶ月後に片脚立ち時間,最大歩行速度,膝伸展筋力,ロコモ25,EQ-5Dが有意に向上していた.以上の結果からロコモーショントレーニングは高齢者の筋力,バランス,移動能力などの運動機能向上やロコモティブシンドロームの改善に有用なトレーニングであることが明らかとなった。
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