研究実績の概要 |
Pt, PdおよびRhについて、それぞれの白金族金属酸化物のみを吸収する酸化物を探すため、様々な酸化物についてこれらの吸蔵特性について調査し、該当する酸化物の発見に至った。また、酸化物の白金族金属酸化物吸蔵特性の向上のため、組成による依存性、添加元素による影響を調査した。その結果、ペロブスカイト型酸化物(ABO3)では、化学量論比ではなくBサイトの元素を5-10%程度減少させることで、その吸蔵特性が向上する傾向が見られた。また、Bサイトの元素を別の第3元素で置換することでも吸蔵特性が向上した。さらに、反応温度の吸蔵特性に及ぼす影響についても調査した。 それぞれPt酸化物, Pd酸化物およびRh酸化物のみを吸蔵する試料を用いて、Pt, PdおよびRhを含有した自動車排ガス浄化触媒の模擬試料からのPt, PdおよびRhの回収実験を実施した。Pt, PdおよびRh水溶液にγ-アルミナを混合し、乾燥および焼成還元し、自動車排ガス浄化触媒の模擬試料を作製した。模擬試料とPt吸収剤(Pt酸化物のみを吸蔵する酸化物), Pd吸収剤(Pdのみを吸蔵する酸化物)またはRh吸収剤(Rhのみを吸蔵する酸化物)を容器内で反応させ、それぞれの白金族金属の分離・回収実験を実施した。
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