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2013 年度 実施状況報告書

植民地支配が独立後の経済発展に与えた影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25870687
研究種目

若手研究(B)

研究機関千葉商科大学

研究代表者

水野 伸宏  千葉商科大学, 商経学部, 講師 (60584505)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードアフリカ / 植民地支配 / 政治
研究概要

本年度は植民地時代の支配体制、特に間接統治の程度が、独立後の政治構造に与える影響を分析するゲーム理論的モデルを構築した。独立後のアフリカ諸国では、中央政府が地方エリートに資源や特権を与える代わりに地方エリートが中央政府の地方統治に協力する提携関係がしばしば観察される。本研究のモデルは、独立後のアフリカ政府は地方の農業部門からの税収に大きく依存していた点を考慮しつつ、このような提携関係を交渉モデルで定式化し、地方エリートと中央政府の交渉力が自らの指示に反した地方住民を罰する能力によって決定されるメカニズムを提示した。
間接統治の程度が高い地域では、植民地支配の過程で地方エリートが地方住民に対して強力な支配関係を築いている。上述した理論的結果は、そのような地域では、中央政府に対して地方エリートが強力な交渉力を得ることとなり、中央政府は地方エリートに特権的な地位や資源を提供せざるを得なくなる事を示唆している。
このような中央政府と地方エリートの提携関係はサブサハラアフリカでは広範に見られる現象であり、アフリカの政治経済を理解する上で重要なテーマであるが、私の知る限り、このような提携関係をゲーム理論を用いて分析した研究はほとんどない。
本研究の結果は“Political Structure as a Legacy of Indirect Colonial Rule: Bargaining between National Governments and Rural Elites in Africa” MPRA Paper No. 48771としてワーキングペーパーとして公開し、現在学術誌に投稿中である。さらに、2014年の3月に行われたThe 51st Annual Meetings of the Public Choice Societyにおいて、研究結果を報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では、平成25年度にモデルの構築、平成26年度に学会報告および論文投稿としていたが、モデルが計画していたよりも早く完成したため、平成25年度に学会報告および論文投稿を行うことができた。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、さらに学会報告を行うとともに、投稿した学術誌からの返事を待ち査読者および編集者から指摘された点を修正する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Political Structure as a Legacy of Indirect Colonial Rule: Bargaining between National Governments and Rural Elites in Africa2014

    • 著者名/発表者名
      水野伸宏
    • 学会等名
      The 51st Annual Meetings of the Public Choice Society
    • 発表場所
      アメリカ合衆国、サウスカロライナ州、チャールストン
    • 年月日
      20140306-20140309
  • [備考] MPRA Paper No. 48771

    • URL

      http://mpra.ub.uni-muenchen.de/48771/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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