研究課題/領域番号 |
25870697
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
都丸 けい子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (40463822)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メンタルヘルス / レジリエンス / 東日本大震災 / 避難児童 / 体験の意味づけ |
研究実績の概要 |
はじめに,研究1の「避難児童のメンタルヘルスの状態の検討」および研究2の「避難児童のレジリエンスの検討」に関しては,平成23年から26年にかけて実施した個別面接データを検討した結果の妥当性を高める取り組みを平成28年度に実施した。具体的には,以下の2つの検討を行った。第1にトライアンギュレーションの側面から,スクールカウンセラーとして避難児童の支援を行った研究協力者が一昨年度にまとめた自身の震災支援の経験に関する冊子の内容との照らし合わせである。第2にメンバーチェックまたはコミュニケーションによる妥当化の側面から,子どもたちが避難してきた町から調査対象とした小学校に派遣された教員(現在,福島県内の小学校教員)との面接である。それらの結果,子どもたちの個別面接データより得られたメンタルヘルスの変化やレジリエンスについては,スクールカウンセラーおよび派遣された教員が日々の学校支援の取り組みの過程で感じていた子どもたちへのアセスメントの結果とほぼ一致していた。なお,子どもたちのメンタルヘルスやレジリエンスに関するこれらの結果の一部については,平成29年度に執筆・刊行を予定している書籍(共著)に発表する。 次に,研究3の「避難児童への支援活動の検討」および研究4の「支援活動の体験の意味づけ」に関しては,子どもたちが避難してきた町から派遣された教員を対象とし,回想法を用いた半構造化面接を平成28年度に実施した。現在,以前実施した教員を対象とした面接データも踏まえ,結果をまとめているところである。なお,得られた結果の一部については,平成29年度刊行する書籍(共著)において発表を予定している(現在,原稿の校正中)。
※産前産後の休暇・育児休業による中断:平成25年7月20日~平成26年7月31日 ※産前産後の休暇・育児休業による中断:平成27年5月18日~平成28年3月31日
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年7月から平成26年7月および平成27年5月から平成28年3月まで産前産後の休暇・育児休業を取得していたために研究活動を行うことができなかったことから,研究計画の大幅な調整を行い,研究活動に臨んだ。しかし,2人の子どもの育児との両立により,研究活動時間の捻出が困難な事態もしばしば生じた。その結果,学会参加等,昨年度は研究をまとめた結果を発表する機会を逸してしまった。以上の理由より,当初計画していた通りに研究を進めることができず,「(4)遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は,データの収集についてはほぼ終えているため,現在手元にあるデータ(子どもたちへの個別面接データおよび学校関係者への面接データ)の分析を継続して進め,その結果をまとめ発表することである。第1に,子どもたちへの個別面接データの検討については,内容の妥当性の検討をほぼ終えており,その内容の一部に関しては,平成29年度刊行を予定している書籍(共著)にて発表する。第2に,学校関係者への面接データについては,その内容をまとめた結果の一部を平成29年度刊行を予定している書籍(共著)にて発表する。最終年度となる平成29年度は,データの分析をさらに継続し,結果の信頼性と妥当性を高め,本研究の総合的な結果をまとめる所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年7月から平成26年7月および平成27年5月から平成28年3月まで産前産後の休暇・育児休業を取得していたために研究活動を行うことができなかったことから,研究計画の大幅な調整を行い,研究活動に臨んだ。しかし,2人の子どもの育児との両立により,研究活動時間の捻出が困難な事態がしばしば生じた。その結果,学会参加や調査等,研究活動を計画通りに行うことができず,経費の使用範囲に制限が生じる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
現時点で,データの収集はほぼ終えている。平成29年度は,学会発表等において,情報収集および研究成果を発表する機会を検討しているため,当初の計画に近い経費を使用する見込みが立っている。
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