研究課題/領域番号 |
25870698
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 大 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30633268)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | e-Learning / 擬人化エージェント / 学習意欲 / 非言語インタラクション / インストラクショナルデザイン / WebGL |
研究概要 |
本研究では、教育者不在の自学・自習になってしまうe-Learningにおいて、対話エージェントの補助により学習者の意欲・動機付けを向上し、安定した学習効果を得るための言語/非言語インタラクションデザイン及びマン-マシン間の新たなインストラクショナルデザインの理論構築を目的としている。初年度は、グラフィカルな対話エージェントを伴うオンラインのe-learningシステムのプラットフォームを開発した。本プラットフォームは、一般的な普及を考慮し、インターネット経由でOS非依存なコンピュータグラフィックス環境であることを要件とし、HTML5+WebGLライブラリにより構築し、ユーザがWebブラウザからマルチメディア教材を伴う対話エージェントのアニメーションを同時に閲覧可能であることを確認した。また、本研究では、学習者が教材に正対し、教育者役の対話エージェントと学習者がL字型の位置関係となることを想定し、対話エージェントが姿勢を変更することで、教材/スピーチへのアテンションドローイングを適切に行うことにより学習者の集中力、学習意欲、理解度が向上するかを、上述のe-Lerningシステムを用いて対照実験により検証した。実験の結果、姿勢変更を行う条件では、学習意欲や理解への自信に好ましい印象を得る傾向を確認したが、理解度には効果が現れなかった。また、ジェスチャーにも着目しており、抽象的な概念を伝達している暗喩的ジェスチャーを効果的に用いることで、概念の特徴や概念間の図式的理解を得られるかを現在検証中である。今後は、人-人の間で行われる説明行為の対話構造や非言語情報の利用法について分析を行い、e-Learningへの応用を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初のデータ収集・分析(2年)→自動化のための要素技術開発(2年)→実験(1年)というウォーターフォール型では技術進歩の早いWebアプリケーションとしての利用を前提とした実験システム開発は困難と判断し、実験用のe-Learningプラットフォームの構築を平行して進め、分析→開発→実験→分析のアジャイル型に一部計画を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に予定していた最終的な目標となるe-Learningシステムの構築を前倒しし、各研究要素と並行して推進していく計画に変更した。これはWebGLライブラリを筆頭に、オンライン、マルチプラットフォーム対応でグラフィカルなe-Learningを構築するための技術進歩が急進していることへの必須の対応である。この変更により、初年度に予定していたデータ収集を一部、公開されている講義映像を利用して簡略化し、既に暗喩的ジェスチャーの分析を行っている。今後、教示インタラクションの対話構造や非言語情報、インストラクショナルデザインの観点での発話意図の分析など、可能な限り既に公開されている映像を用いる方法をとる。今後、分析と開発とインターネット経由での実環境による実証実験、を繰り返しながら研究を推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画当初購入予定であった視線計測装置が2013年度初頭に値下げしたため。 また、データ収集の計画を一部変更したため、データ分析、保存用に購入予定であったデスクトップ型コンピュータおよびハードディスクを次年度に購入することとしたため。 データ分析、保存用に購入予定であったデスクトップ型コンピュータおよびハードディスクを購入する。
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