eラーニング学習支援における没入感・学習効果の維持向上を目標に、対話エージェントを利用することを検討した。本研究の成果として、まず、Webブラウザ上にコンピュータグラフィクスで描画される対話エージェントを表示するためのプラットフォームを開発し、オンラインの研究・実験環境を構築した。また、人手による対話エージェントのジェスチャ作成されているを生成作業を軽減するために、機械学習をもちいたジェスチャ自動生成手法の提案を行った。ここでは、文内の前後関係を意識したジェスチャの推定が必要となるため、発話テキストのどの位置にどんな種類のジェスチャが付与されるかを決定する問題を系列ラベリング問題として扱い、推定モデルに条件付き確率場(CRF)を採用した。さらに、安価なウェブカメラを利用して学習者の学習態度を把握する方法の提案を行った。本手法では、学習者の顔画像から目領域を抽出し、視線検出をおこなった。実験の結果、PC内臓の単眼ウェブカメラであっても9分割された画面領域の注視領域判定に利用可能であることを確認した。最後に、対話エージェントが行うジェスチャが学習者の理解に与える影響について調査をおこなった。本調査では、説明をおこなう際に用いる導管メタファ・ジェスチャが,学習者の専門用語の記憶定着,抽象概念間の関係性の理解,学習体験,および,PA の知覚に与える影響を評価した結果、ジェスチャによって、学習者は説明内容の図式的な理解が容易になり、また学習内容の理解に努めようとすることが明らかになった.
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