研究課題
平成26年度は、計画通り提案した手法の妥当性と測定精度の検証を行うとともに、前年度に生じた課題の解決方法を提案し、当初の目的である「外乱振動のある実環境下においてスペックル干渉法による高精度ひずみ測定」を実現した。具体的には、外乱振動を正弦波にモデル化した場合における振動と干渉計の感度およびスペックル画像取得時の露光時間との関係を理論的に検証し、適用可能な範囲について把握することができた。また実際に実験を実施した環境における外乱振動を測定し、その振動の周波数成分を分析することで実験における測定条件の妥当性を確認した。さらに実際の微小変形測定に対する適用例として、コンプレッサータンク溶接部近傍の圧力変化による変形の測定を実施した。これに関して、前年度の課題であった測定対象表面によるレーザ反射時の偏光の乱れの解決方法として、アルミニウム粉末による塗装を施すことで解決した。この方法をとることで測定対象の材料の種類や表面状態に関わらず提案手法の適用が可能となった。またその測定結果をある位置において従来のひずみゲージによる測定結果と比較した結果、良好な一致が見られたことから比較的高精度の測定が実現できることを確認した。なお、実験室外での測定の実施に関しては、実験室外と同等である光学除振台を用いない外乱振動のある環境において実験を実施することができた、また良好な結果が得られたことから、実環境下での適用に関する検証はできたと判断した。以上より、従来レーザ干渉測定の適用が困難であった外乱振動のある環境において、静的な現象を対象にスペックル干渉法を適用可能とし、外乱振動の振幅よりもはるかに小さい微小変位分布、すなわち変形測定を面内二軸方向に対して実現することができた。またその成果は国際会議において公表された。
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Conference Proceedings of the Society for Experimental Mechanics Series 2015,Advancement of Optical Methods in Experimental Mechanics,Vol.3
巻: 3 ページ: 89-95
10.1007/978-3-319-06986-9_8