研究課題/領域番号 |
25870701
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
梶山 朋子 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20454085)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 書籍表紙画像 / 色抽出 / レビュー / 検索インタフェース / 書籍探索システム |
研究実績の概要 |
ユーザの閲覧行動から,そのユーザの感情をセンシングする手法を確立するために,本年度は,色彩情報を直観的に閲覧できる書籍探索システムの構築に取り組んだ.昨年度までに検討した,ユーザの感情を直観的に検索条件として入力できる検索インタフェースを搭載し,読者の印象を反映させた表紙画像を生成する手法により作成した画像を検索結果として表示する仕組みである.本インタフェースでは,検索の切り口として用意された各属性を,その属性に対する属性値を整列させたリングで表現する.リング上の特定の位置にある属性値を検索条件として利用するため,ユーザはリングを追加・削除・回転させることにより,リング内部に表示された検索結果を閲覧しながら探索を進めることが可能である.今後は,本システムをユーザが利用することによって,閲覧行動に基づくユーザの関心度を考慮した検索アルゴリズムの検討と,表紙画像の提示によるユーザの感情センシングの効果を検証する.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の課題は,色彩情報を直観的に閲覧できる探索システムの構築と感情センシングの効果検証であった.前者はおおむね順調に進んでいるが,後者は出産に伴う研究中断により取り組むことができなかった.構築した探索システムは,連続量や離散量を問わず,多次元属性情報を柔軟に探索できる検索インタフェースを搭載し,読者の印象を反映させた表紙画像を提示する.販売書籍画像を提示するシステムと比較した際,提案システムは読後感の近い書籍が検索結果として集まっていることが確認できたため,順調に進展していると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
本システムを活用し,閲覧行動に基づくユーザの関心度を考慮した検索アルゴリズムの検討と,表紙画像の提示によるユーザの感情推定の効果検証を行うことで,感情センシングへの応用を試みる.感情推定アルゴリズムの検討では,直観的な探索を支援するために属性の定義を見直した上で,閲覧時間やマウス操作に加え,閲覧時におけるユーザの思考を調査することにより,ユーザの関心度と閲覧行動の関係性を検証する.出版表紙画像を提示するシステムと,提案システムを比較することにより,読者の印象を反映させた表紙画像の提示によるユーザの感情推定に対する効果検証を行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
出産に伴う研究中断により,国内外での成果発表や論文投稿,被験者実験を実施することができなかったため,使用に至らなかった.
|
次年度使用額の使用計画 |
予定通り研究を遂行し,成果発表の旅費や論文投稿の掲載費,被験者実験における謝金や,システム改良の効率化を図るための開発補助委託費として使用する.
|