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2013 年度 実施状況報告書

高齢者の運動機能判定システムの開発とその有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 25870703
研究種目

若手研究(B)

研究機関北里大学

研究代表者

上出 直人  北里大学, 医療衛生学部, 助教 (20424096)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード高齢者 / 運動機能 / メタ分析 / 基準値
研究概要

本研究課題の目的は,(1)高齢者の運動機能を簡便に判定するための運動機能判定システムを開発し,(2)開発する運動機能判定システムの有効性を実証することである.
平成25年度に関しては,(1)の目的である運動機能判定システムを開発するための基礎的研究を実施した.具体的には,運動機能判定システムを構築するための基礎データとなる,各種運動機能テストにおける基準値を設定する研究を行った.基準値を設定する運動機能テストは,高齢者の生活機能低下に対する予測感度が高く,かつ簡便に実施することが可能な運動機能テストを選定し,Timed Up and go test(TUG),快適条件歩行速度,最大努力条件歩行速度,チェアスタンドテストの4種類を選定した.
基準値の設定は,過去の研究論文で報告されている運動機能テストの測定データから,メタ分析の手法を用いて算出した.なおTUGについては,本研究課題の実施に先立って,メタ分析の手法を用いた基準値の設定をすでに成しえており,当該年度ではそれに引き続き,快適条件歩行速度,最大努力条件歩行速度,チェアスタンドテストの3種の運動機能テストの基準値を,同様にメタ分析の手法を用いて設定した.
当該年度の研究実績により,TUG,快適条件歩行速度,最大努力条件歩行速度,チェアスタンドテストの4種の運動機能テストすべての基準値の設定を終えた.すなわち,高齢者の運動機能判定システムを構築するための基礎データの整備を完了することができたと言える.また,基準値を設定した4種の運動機能テストは,高齢者の運動機能評価として介護予防事業や関連研究などでも広く用いられているものである.従って,本研究による運動機能テストの基準値は,基準値単独でも実践的かつ科学的に有用な意味を持つものであると考える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現段階で,運動機能判定システムを構築するための基礎データの整備が完了しており,今後はシステムの開発に順調に移行していくことができる状態である.当初の研究計画においても,当該年度ではシステム構築のための基礎データの整備を行うことを目標としており,おおむね順調に研究は進展していると言える.

今後の研究の推進方策

今後は,運動機能判定システムの構築のために整備した基礎データを,さらに統計学的に処理し,個人の運動機能の状態を簡便に得点化し,さらに視覚化して示すことができる運動機能判定システムの開発に着手する予定である.
システム開発後は,システムの有効性を実証するための実証研究を行う予定である.当初の研究計画では,比較対照試験を計画していたが,群間比較を行うために必要な無作為化の手順やサンプルサイズの確保,脱落率において課題があると考えている.一方で,開発するシステムは,運動機能の状態を統計学的に処理し,簡便に得点化して示すことに独自性がある.算出する運動機能テストの得点の妥当性を検証することも有効性を実証するうえでは重要であり,科学的な意義も大きい.そこで,運動機能テストの得点の妥当性を検証する観察研究への変更も視野に入れて今後検討していく.

次年度の研究費の使用計画

当該年度に実施した研究のためのデータ整理が,当初の予定よりも早く終了したため,人件費に若干の差額が生じたものである.研究計画自体は順調に進行している.
平成26年度以降は,基礎データの数学的・統計的処理および運動機能判定システムの構築を行う予定であるが,それぞれの処理を行うためのシステム環境の整備やさらなる資料整理のための人件費として使用する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 地域在住日本人高齢者における5m歩行時間の参照値-メタ分析による算出-2013

    • 著者名/発表者名
      安藤雅峻,上出直人
    • 雑誌名

      総合リハビリテーション

      巻: 41 ページ: 961-967

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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