本研究では、生体エネルギーを産生するなど生物にとって重要なオルガネラであるミトコンドリアに局在する新規のスフィンゴミエリナーゼ(mitSMase)が、どのような分子特性および生理作用を持っているのかについて研究を行った。その結果、(1)mitSMaseはミトコンドリア二重膜の外膜に局在する中性SMaseであること、(2)mitSMaseは抗がん剤であるエトポシドによるアポトーシス誘導を抑制すること、(3)mitSMaseは障害を受けたミトコンドリアを、オートファジーにより除去することで細胞死を抑制すること、を明らかにした。
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