今後の研究の推進方策 |
がん細胞特異的な抗体を標識した金粒子の開発 <目的>前年度から引き続き、DNA抗体標識の条件詰めを行い、条件が固まったところでがん細胞の抗体標識に切り替える。がん細胞への集積が高い金粒子の開発を目差し、がん細胞特異的な抗体を金粒子に標識する。開発した標識金粒子による放射線の増強効果を定量化して比較、および細胞毒性を調べる。 <方法>放射線照射前後の培養細胞によるコロニー形成能で定量化する。抗体標識金粒子のあり/なしで生存率曲線の変化を比較する。<これまでの準備状況>コロニーアッセイ法は、研究協力者の石山らの先行研究での実績がある。申請者らは金粒子に対して抗体標識の実績がある(Yasuda et al., Nature 2001)。抗体は1)既存の分子標的薬、2)新規・腫瘍マーカーを利用する。医療衛生学部・佐藤雄一教授からサンプル提供、アドバイスを受ける。抗Basigin抗体、抗RACK1抗体(Nagashino, Sato et al., Lung Cancer 2010)や細胞接着分子等を標的とする。本学医学部・培養細胞実験研究支援センターの支援を受ける。培養細胞実験;Hela, A549, CWR22RV1, LNCaP(研究協力者の石山、佐藤らが取り扱い経験のある細胞株)。放射線源;病院リニアック(放射線治療機)を使うための交渉済み。 うまくいかない場合の対象法 (抗体標識など);がん細胞への集積確認;抗体標識金粒子が、がん細胞特異的に集積するかどうか、光学顕微鏡で直接観察して確認する。ナノメートルサイズの金粒子は見えないことも予想されるので、大きな金粒子(200-1,000 nm)も用意する。
|