放射線治療と金ナノ粒子を併用し、原発巣とその周りの潜在的な転移巣へも十分な効果をもたらす治療法の提案を目指した。従来よりも少ない投与量で金ナノ粒子が効果を発揮するように、がん細胞へ特異的に集積する金ナノ粒子の開発に必要な基本要件を調べた。 金ナノ粒子の放射線増強の効果をDNAの切断能力の違いとして評価するため、プラスミドDNAの放射線による形状変化を電気泳動法で定量化した。放射線誘発DNA損傷に対する金ナノ粒子の増強効果は、粒子表面の性質と溶液条件の影響を受けることが分かった。がん細胞特異的な金ナノ粒子の開発に向け、粒子径、標的への結合法、ブロッキング剤の改善が必要ではないかと考えられる。
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