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2013 年度 実施状況報告書

統合失調症患者におけるレジリエンスとその生物学的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 25870713
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

内田 裕之  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40327630)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード統合失調症 / レジリエンス / ストレス / 回復
研究概要

レジリエンスは、発病過程ではなく回復過程に注目する概念で、「健康回復因子を中心とする疾病抵抗因子の総体:抗病力」と規定され、統合失調症患者の長期転帰に影響を与える。しかし、統合失調症患者におけるレジリエンスに影響する因子は解明されておらず、さらには、その生物学的基盤に関するデータはない。本研究では、統合失調症患者を対象に、レジリエンスの質および程度に関連する因子(人口動態因子、疾患重症度、生育歴、病識、宗教観など)を同定し、レジリエンス概念を確立する。また精神疾患の回復過程に関わる生物学的指標(唾液アミラーゼ、BDNFなど)とレジリエンスの関連を解明し、その生物学的基盤に迫ることを目的としている。
本横断研究では、統合失調症外来患者を対象に、レジリエンス、生活の質、精神症状、宗教観、病識、絶望感、自尊感情、病前知的水準、社会機能、内面化された偏見を含む様々な個人特性を評価し、重回帰モデルを用いてレジリエンスに影響する諸因子を同定する。また、唾液アミラーゼ、血中・唾液中BDNF、血中コルチゾール・ACTH、高感度CRPを測定、レジリエンスとの関係を評価することで、レジリエンスの生物学的基盤に迫る。
症例登録は概ね計画より早く進んでおり、平成26年4月中に目標の60名に到達する見込みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本横断研究では、統合失調症外来患者を対象に、レジリエンス、生活の質、精神症状、宗教観、病識、絶望感、自尊感情、病前知的水準、社会機能、内面化された偏見を含む様々な個人特性を評価し、重回帰モデルを用いてレジリエンスに影響する諸因子を同定する。また、唾液アミラーゼ、血中・唾液中脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor; BDNF)、血中コルチゾール・ACTH、高感度CRPを測定、レジリエンスとの関係を評価することで、レジリエンスの生物学的基盤に迫ることを目標としている。
慶應義塾大学病院、大泉病院、南飯能病院にて倫理委員会の許可を得たうえで実施しており、当初は平成25年度に40名の組み入れ予定であったが、組み入れは予定以上に順調に進み、平成26年4月中に目標の60名に到達する見込みである。また、面接調査及び採血等のデータ収集も、特に脱落や副作用を認めずに予定通り進捗している。
このように、本研究は当初の計画以上に順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

すでに収集した検体を用いて、唾液アミラーゼ、血中・唾液中脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor; BDNF)、血中コルチゾール・ACTH、高感度CRPの測定を実施する。そのうえで下記の解析を実施する。
1. Resilience Scale評点に対する他の評価尺度の点数および臨床的・人口動態的変数の影響を、重回帰モデルを用いて検証する。
2. 唾液アミラーゼ値および血中・唾液中BDNF値、血中コルチゾール・ACTH値、血中高感度CRP値とResilience Scale評点の相関関係を、ピアソン相関係数を用いて評価する。
3. 上記1および2の解析で、Resilience Scale評点に影響することが判明した各因子において、Resilience Scale評点が平均を1標準偏差下回るカットオフ値を探索する。そして、各評価尺度において規定されている、そのカットオフ値に対応する症状もしくは評価を明示する。
そして、6月に国際神経精神薬理学会での発表を通じて考察を深め、論文化する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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