本研究は、ラテンアメリカ諸国において市民法の基礎となる民法典の制定経緯とその歴史的背景を明らかにするものである。ラテンアメリカの地理的・文化的範囲を手掛かりに、対象国をスペイン語圏18か国とブラジルそしてハイチの計20か国と措定し、また、その独立期法典化の歴史的範囲として、南北アメリカ初の法典化を達成したルイジアナ民法典に続くラテンアメリカ初の法典化となる1826年ハイチ民法典から1916年ブラジル民法典までの約100年間を対象とし、フランス法典への依存が次第に希薄化し、翻って植民地時代のインディアス=カスティーリャ旧法が見直されていく過程を素描するとともに、その法典化の要因について考察した。
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