| 研究課題/領域番号 |
25870723
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| 研究種目 |
若手研究(B)
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| 研究機関 | 東海大学 |
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研究代表者 |
大家 渓 東海大学, 工学部, 特定研究員 (50549962)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 幹細胞自己生成組織 / 間葉系幹細胞 / 超短パルスレーザー加工 / 積層化と複合化 / 磁場刺激 |
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| 研究概要 |
医用応用に耐え得る間葉系幹細胞自己生成組織（scSAT）の作製を目指し、本年度は（１）scSAT作製基板の最適化、（２）scSATの強度維持に関わる細胞外マトリクスタンパク質を用いたscSATの高強度化に関する検討、および、（３）間葉系幹細胞へ物理刺激を付与するための装置作りと細胞応答の調査について検討した。
（１）では、超短パルスレーザー加工法により、生体適合性に優れるチタン表面上にナノレベルの周期構造を形成し、間葉系幹細胞の配向制御と細胞外マトリクスタンパク質の生成促進を目指した。その結果、レーザー加工の条件によって形成される周期構造の形状が異なることがわかり、それらの上で培養した細胞の配向率も異なることがわかった。また、ナノ周期構造上で作製したscSATの方が、平面上で作製したものよりも細胞外マトリクスタンパク質の生成が促進される可能性も示された。
（２）では、コラーゲンシート（CS）上に間葉系細胞を播種してscSATを作製させ、その強度の調査と組織観察を行った。その結果、CS上で作製したscSATは、作製直後は強度が下がるものの、その後培養を続けると強度が上昇していくことがわかった。組織観察の結果、これは間葉系幹細胞によるコラーゲンの吸収と生成がこの間に行われているためである可能性が示された。
（３）では、磁場刺激を細胞に与えることによる細胞応答の調査を行った。本研究では、永久磁石（ネオジム磁石）の配列を制御することによって強磁場を作り出し、その環境下に細培養中の細胞を置いたところ、細胞の生育が阻害されるという結果が得られた。当該年度は装置の製作に大半の時間を割いたため、今後、磁力の制御を試み、種々の磁場刺激による細胞応答を調査していく予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】で述べたとおり、当該年度は３種の検討項目を実施した。（１）scSAT作製基板の最適化では、着実に細胞の接着制御の最適条件が見つかりつつあり、着実に研究が進んだ。(２) scSATの強度維持に関わる細胞外マトリクスタンパク質を用いたscSATの高強度化に関する検討では、scSATは単体での積層化枚数には限度があり、scSATの高強度化は難しい可能性が得られた。その結果から、コラーゲンシートとの複合を試み、一定の成果を得つつある状態まで進んだ。（３）間葉系幹細胞へ物理刺激を付与するための装置作りと細胞応答の調査について検討は、当該年度から始めた新たな試みであったが、作製した磁気刺激デバイスは細胞に対して影響を及ぼす結果が得られ、今後の条件検討次第では有益な知見が得られる可能性が示唆されている。以上より、研究の進捗状況・達成度は概ね良好であると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
【現在までの達成度】で述べた(１)～(３)の項目の検討をさらに進めるとともに、各項目の有機的な連携も視野に入れていく。また、新たな物理刺激の付与方法についても検討を進める。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
細胞に対する磁場刺激装置の作製において、当該年度は装置の作成に大幅な時間を要した。そのため、その後に予定していた細胞に対する生物学的な解析のための試薬等の購入費用が未使用のまま終わった。
磁場刺激装置は当該年度で概ね完成しており、次年度に生物学的な解析を鋭意遂行する。この分の費用が、当該年度から次年度への繰り越し費用となる。
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