研究課題/領域番号 |
25870726
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 光幸 順天堂大学, 医学部, 助教 (90449059)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ビタミンD / BMI / 体脂肪率 / 抗ミュラー管ホルモン |
研究概要 |
【目的】わが国の低出生体重児出生率は増加傾向にあり、その背景には妊娠適齢期女性の「やせ」の増加や妊娠中の不十分な体重増加も一因と考えられている。平成25年度は、健康な生殖年齢女性を対象として抗ミュラー管ホルモン (AMH:卵巣予備機能を示す血液マーカーで、喫煙や加齢の影響を受ける)を測定し、体格および血中25ビタミンD値との関連性を検討した。 【方法】102名の非喫煙女性(20-43歳)を対象とし、体格および血液学的な栄養検査を行った。データ解析は、まずA群(<30歳, n=45)とB群(≧30歳, n=57)に分けて、さらにAMH値に応じてL群(<2.0ng/ml)とN群(≧2.0ng/ml)に分類し比較検討した。 【結果】A群:体脂肪率は、L群(n=11)はN群(n=34)に比して有意に低値を示した(p<0.01; 22.6±3.2 vs. 26.6±5.0%)。BMIおよび血中25ビタミンD値との関連は認めなかった。B群:BMIおよび体脂肪率と関連は認めなかった。血中25ビタミンD値は、L群(n=31)はN群(n=26)に比して有意に低値を示した(p<0.05; 22.6±9.1 vs. 27.9±7.4 ng/mL)。同様に血中Ca値(p<0.05; 8.97±0.30 vs. 9.14±0.23 mg/dL)と血中P値(p<0.05; 3.50±0.40 vs. 3.72±0.33mg/dL)にも有意差を認めた。 【結論】本集団におけるAMH値は、30歳未満では体脂肪率、30歳以上ではビタミンD値の影響を受けていた。やせやビタミンD不足は卵巣予備機能低下の一因となる可能性が示唆された。 【今後の研究の展開】ビタミンDのサプリメントがAMH値に与える影響を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は研究計画に基づき、研究環境の整備(備品、書類作成など)および被験者募集等を行う研究準備期間として位置づけていた。予定より準備が順調に進んだため、一部の研究を開始し、データの集積・解析が実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度内に研究計画の一部を開始することができたが、採取サンプルの一部の解析を行ったに過ぎない。今年度も被験者数を重ね、採取サンプルの生化学的な解析および統計学的解析を継続し、研究を推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果発表に係わる旅費について、予定額に達しなかったため次年度使用額とした。 平成25年度は積極的に研究成果を発表し、国内外の研究者から情報収集を行うことで、さらに研究を推進していく。
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