ADの難治性痒みに対するグランザイム(Gzm)Aの関与を解明することを目的とし研究を行った。血漿GzmA濃度はAD患者で高い傾向があったが、有意差はなく、ADの病勢や痒みを示すマーカーの値といずれも相関がなかった。一方、血漿GzmB濃度は健常者と比較してAD患者で有意に高値であり、痒みの情報伝達に関与する血漿GRP濃度と有意な正の相関が認められ、痒みスコアのVASと正の相関がある傾向にあった。また、ADの病勢を反映するSCORADならびに血清TARC濃度と有意な正の相関を示した。以上の結果は、当初の目的で着眼したGzmAよりも、GzmBがAD患者の痒みと皮膚炎の両者を反映することを示唆した。
|