研究課題/領域番号 |
25870733
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
山手 昌樹 上智大学, 文学研究科, 研究員 (70634335)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イタリア / 近代史 / ファシズム / 社会調査 / 家族 / 農民 |
研究概要 |
本研究は、1930年代前半にイタリアで実施された農村家族調査の歴史的背景と史料的特徴を明らかにすることを目的とする。この目的を達成するため、平成25年度においては、調査主体である1928年設立の「国立農業経済研究所(Istituto Nazionale di Economia Agraria、以下ではINEAと略す)」の概要と活動実態を、研究文献ならびにINEA理事会議事録に基づき分析する作業を進めた。夏季には、その一環として、イタリアにおいて史料調査を実施し、ローマのINEA文書館において理事会議事録の閲覧ならびにデジタルカメラによる撮影をおこなった。また、同じく国立ローマ中央図書館(Biblioteca Nazionale Centrale di Roma)やジュスティーノ・フォルトゥナート図書館(Biblioteca Giustino Fortunato)において、社会調査報告書の閲覧ならびに複写をおこなった。さらに冬季には、イタリアの国立中央文書館(Archivio Centrale dello Stato)において、調査者に関する未公刊史料の収集をおこなった。本年度の成果として、INEAの沿革については、日本西洋史学会大会ならびにイタリア言語・文化研究会例会において口頭報告したほか、上智大学文学部史学科(編)『歴史家の窓辺』(上智大学出版、2013年)所収の「社会調査に見るイタリア農民の生活感情」に公表した。また、農村家族調査実施の歴史的背景としてイタリア統一から第一次世界大戦までの間に実施された各種社会調査の系譜を整理し、農村家族調査で採り入れられた調査手法の意義を『地中海学研究』に公表した。なお、夏季史料調査の際に得られた社会調査報告書の一部は、ファシズム時代の移民問題を分析するうえでも活用し、その成果を『日伊文化研究』に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
夏季史料調査においてINEA理事会議事録のデジタルカメラによる撮影を許可されたため、当初の予定よりも当該史料の収集に要する時間を短縮することができ、余剰の時間を以て、別途実施する予定であった社会調査報告書の収集を前倒しすることができたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
イタリアにおける史料調査により収集したINEA理事会議事録や調査者に関する未公刊史料を引き続き分析し、調査員の農民観や来歴、人的ネットワークを明らかにする。
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