研究課題/領域番号 |
25870742
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
松村 悠実子 玉川大学, 芸術学部, 助教 (70647239)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 演劇教育 / 大学 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
今年度は、前年度までの研究結果を踏まえ、高等教育機関における「演技」及び「演劇」の教育において、ジェンダーがどの様に扱われ、研究されてきたのかを先行研究分析を基に行った。当初の研究計画としては、今年度は「演技法」から学生達の演技の分析を行う年度であったが、前年度までの研究結果を踏まえ、「演技法」からの分析の前に、高等教育機関においての演劇教育におけるジェンダーはどの様に扱われてきたのかをまず分析することが必要であると判断し、今年度はその課題に取り組んだ。主な研究実績は二点である。 1.文献の収集・調査:主に、ジェンダー関連、フェミニズム関連、ジェンダー教育関連の文献、また「ダンス教育におけるジェンダー」関連の論文を収集・調査した。 2.紀要論文への投稿:成果として挙げられるのは、今回調査した結果、日本において「高等教育機関における演劇教育におけるジェンダー」の研究はほとんど見当たらなかった点である。また、今回調査した結果、同じく舞台芸術及び身体表現である「ダンス教育」におけるジェンダーの研究は行われていることから、ダンス教育におけるジェンダーの先行研究分析及び演劇教育への比較検討を行った。 3.学会発表への応募:2016年度に行われる学会発表への応募を行った。受理されたので、2016年度にそれまでの研究成果を発表する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れが生じている理由として、 1.今年度の初めは、育児休暇中であり、年度の途中から研究に復帰したため、当初の予定より遅れが生じているが、延長申請をし、一年研究期間を延長したので、今後の研究においては計画を見直すことが出来た。 2.当初の研究予定では、「演技の二重構造」を「ジェンダー」と「演技法」の二点から分析し、演劇教育へのジェンダー的視点について問題提起をしていくものであったが、「ジェンダー」から取り組んでいった際、予定より多くの課題・問題・分析すべき事柄が浮上し、今年度実施予定であった「演技法」に関する実験を行うことが出来なかった。 しかし、研究の目標である「演技を用いた教育を行う際に注意すべきジェンダー的視点についての問題提起を行う」という大目的には、変わりは生じないので、「ジェンダー」と「教育」という視点に力点をおきつつ、今後の研究計画を再考する。
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今後の研究の推進方策 |
1.「演技を用いた教育を行う際に注意すべきジェンダー的視点」についての問題提起及び解決方法の提示:今年度は、これまでの研究成果と新たに実施予定の「演技」の授業を担当する教員へのアンケートを基に、高等教育機関における演劇教育(特に演技の実技)の授業において、ジェンダー的視点をどう取り入れるかという問題を明らかにする。 2.「演技法」からの分析:舞台演技における「演技」と日常での「キャラ」という演技に関して比較分析を行うため、これまで集めた文献及び資料分析、実施したプレアンケートを基に演技を学ぶ学生対象にヒヤリング等を行い、研究会等での発表を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで産休及び育休を取得し、研究を1年間中断し、更に一年分延長したため、実質今年度は、予定していた昨年度の研究を行うため、残金が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
1.学会への参加費・旅費、2.謝礼金、3.文献等資料購入費、4.物品購入費
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