トルコ共和国建国から初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクの在任期間は、世界史的にはほぼ戦間期と呼ばれる時期と重なる。この時期、トルコでは20年代にはイギリスを中心としたポスト第一次大戦国際政治体制に対する反発や独立性が根強く見られたが、30年代には、かつてイギリスの帝国主義的国際政治体制の象徴とトルコでみなされていた国際連盟に加盟するなど、国際協調外交の傾向があらわれた。他方で、中央集権体制や民族主義の強調といった全体主義への傾斜も見られ、その中でフェミニズムのような社会運動が抑圧されていったことがわかった。
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