本研究では心外膜原基の横隔膜形成への関与を明らかにし、さらにその異常がヘルニアを引き起こす可能性について理解することを目的とした。心外膜原基由来の細胞を標識し横隔膜における分布を調べた結果、標識された細胞は先天性横隔膜ヘルニアの好発部位である後部左側に認められ、心外膜原基が横隔膜ヘルニアに重要な存在であることを明らかにした。さらに、横隔膜ヘルニアモデルマウスを用いて解析を行なった結果、ヘルニアを起こしたマウスにおいてWt1遺伝子を発現する心外膜原基由来細胞が横隔膜領域に存在しないことを明らかにした。これらの結果から心外膜原基由来細胞が横隔膜ヘルニアを引き起こす主たる細胞群であることを特定した。
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