研究課題/領域番号 |
25870759
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
茂泉 佐和子 (吉名 佐和子) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00424672)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 糖尿病 / ADAMTS9 / C.elegans |
研究概要 |
ADAMTS9は2型糖尿病のリスク遺伝子の1つである可能性が示唆されているが、その理由は解明されていなかった。 そこで、本研究ではADAMTS9/GON-1の発現を抑制することによりインスリン受容体やグルコーストランスポーターの細胞膜への輸送、インスリンの分泌などが影響を受けている可能性を検討した。 これまで線虫とほ乳類の培養細胞において、ADAMTS9/GON-1の発現を抑制することによりタンパクの分泌が抑制されることを見いだしていた。そこで、ADAMTS9がインスリンの分泌あるいはインスリン受容体の細胞膜への輸送メカニズムなどに関与している可能性を検討した。線虫を用いてDAF-16/FOXOの局在やインスリンの分泌を観察した結果、DAF-16::GFPは、Wild typeでは細胞質と核に局在しているが、gon-1 mutantではDAF-16の局在が変化していた。線虫のインスリンの1つであるINS-7は、Wild typeでは神経から分泌され、神経細胞内ではほとんど観察されないが、gon-1 mutantでは神経内にドット状に蓄積していた。これらのphenotypeはシグナル配列を付加したGONドメインを発現させることによってレスキューした。gon-1 mutantでは線虫のインスリンの1つであるDAF-28も正常に分泌されず、DAF-28を分泌しているASIとASJに蓄積していることがわかった。さらに、gon-1 mutantではdauerになりやすいことを見いだした。以上の結果より、線虫においてGON-1はインスリンシグナル伝達に関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
C.elegansを用いてADAMTS9/GON-1と糖尿病の関係を検討し、ADAMTS0/GON-1の発現を抑制することにより、インスリンの分泌やインスリンシグナルに異常が見られることを明らかにした。従って、研究は概ね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に得られた結果をを論文にまとめる予定である。今後はほ乳類の培養細胞を用いて研究を行い、哺乳類においてADAMTS9の機能と糖尿病の関係を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が継続のため、次年度使用額が生じている。 主に細胞培養用試薬と消耗品、論文の校正費に使用する。
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