ephrin-A1の高発現とがん患者の予後不良と正の相関を示すことが明らかとなってきたがその詳細な分子機構は解明されていない。本研究は予後不良の一因となる転移に焦点をおきephrin-A1の機能解析を行った。その結果、原発巣で発現が亢進したADAM12がephrin-A1を切断することで循環血液中の分泌型ephrin-A1濃度を上昇させる。分泌型ephrin-A1は肺血管内皮細胞のEphA2を刺激することで肺血管透過性を亢進させ、肺転移を促進することが考えられる。分泌型ephrin-A1に対する中和抗体が顕著に肺転移を抑制したことから分泌型ephrin-A1に対する薬剤の開発を目指したい。
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