遺伝子の機能発現は、その過程の随所に品質管理機構と呼ばれる監査システムを置いて遺伝子産物をチェックすることで、精度の高い遺伝子機能発現調節を実現している。これら品質管理機構の相互作用は、生体の環境変化やストレスに対する柔軟な適応を可能にしており、生体のストレス応答の包括的な理解において重要な研究といえる。本研究ではRNA監査機構(NMD)と小胞体タンパク質品質管理の相互作用(NMD-小胞体品質管理クロストーク)について、線虫C.elegansを用いて解析を行い、NMD不全によるUPRの活性化に対するサプレッサー遺伝子の同定、並びにNMD関連遺伝子のUPR活性化における役割の解明に取り組んだ。
|