研究課題/領域番号 |
25870764
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
根本 航 東京電機大学, 理工学部, 助教 (10455438)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 膜タンパク質 / 相互作用 / 予測 / データベース / バイオインフォマティクス / 立体構造 / アミノ酸配列 |
研究概要 |
水溶性タンパク質の場合と同様に、膜タンパク質同士の相互作用には特異性があり、相互作用相手に応じ、単量体の場合とは異なる機能が発現する。疾患との関連が示唆される複合体の報告例もあり、膜タンパク質間相互作用ペアの情報の有用性が高まっている。しかし、膜タンパク質間相互作用ペアの網羅的同定は未だに困難な課題であり、その予測手法も報告されていない。本研究では、膜タンパク質間相互作用ペアを予測するバイオインフォマティクス手法を開発する。開発手法を用いて、ヒト膜タンパク質間相互作用ペアの網羅的予測を行う。さらに、病態組織・正常組織における遺伝子発現情報を考慮し、病態組織特異的ヒト膜タンパク質間相互作用ペア予測を行う。 本年度は、膜タンパク質間相互作用について記載のある文献から、膜タンパク質間相互作用ペアについての情報抽出を行った。1,735ペアの膜タンパク質間相互作用情報を得ることができた。また、その際、膜タンパク質間相互作用時・非相互作用時の会合・解離を引き起こす原因、機能と局在に着目し情報を抽出した。ウェブ上での公開を目的として、抽出したデータをデータベース化したが、まだセキュリティ面で脆弱でありインターネット上での公開には至っていない。 また、膜タンパク質間相互作用ペアの予測手法開発のための準備も進めた。本研究では機械学習手法を用いるが、そのためには正例と負例を収集する必要がある。負例のデータ数は予想通り少ないため、当初の予定通り、遺伝子発現データを利用する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 膜タンパク質間相互作用ペアについての実験情報データベースの構築は順調に進んでいるが、ハッキングに備えるセキュリティ対策が滞っており公開には至っていない。 2. 相互作用ペア予測手法の開発はについては、負例の作成に利用する遺伝子発現データの収集が遅れ気味であることが影響して、少し遅れ気味である。機械学習を利用するソースコードの準備は予定よりも早く進んでいるため、全体として進捗に問題はないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データベース構築については、セキュリティ対策の部分を外注し、解決する予定である。 相互作用ペア予測については、データの収集が完了すれば、すぐに予測を行える態勢が整っているため、期間内に手法構築は完成すると予想している。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベースのウェブ上での公開を予定している。 予算の一部を、当初想定していなかったセキュリティ対策を外注する費用として使用することにし、使用の時期をデータベース公開にあわせるため、次年度に繰り越すこととした。 2014年末頃をめどに、データベースのセキュリティ強化のための外注費用として使用する予定である。
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