本研究では,現存しない歴史的建造物を復元するための3次元情報取得を目的とし,スマートフォンによる歴史的建造物の効率的計測手法および、1枚の古写真を用いての3次元形状把握手法の開発を行った.古写真による3次元形状把握において対象とした建造物は,写真上において遠近法の二点透視法に近い構成で写し込まれている旧帝国劇場である.旧帝国劇場の写真上からは2点の消失点を推定し,さらに画角の推定や長さの指標としての人物の身長の利用により,撮影に用いたカメラの画面距離,撮影点から対象物までの奥行き距離等の推定値を順次求め,それらの推定値より旧帝国劇場の表面の各点に対する3次元座標を算出した.
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