C軸配向性窒化アルミニウム(AlN)下地層の上に、パラジウム(Pd)をローカルエピタキシャル成長させることにより高配向Pd(111)極薄膜を作製し、その水素センサ特性について調査した。その結果、高配向Pd(111)極薄膜は、水素化・脱水素化に伴う劣化が少なく、室温で可逆的に動作する水素センサとして利用可能と判明した。また、その場X線回折法により水素化・脱水素化過程を調査したところ、Pd格子は、AlN下地層とのローカルエピタキシャル関係を基にして、膜面垂直方向に優先的な伸縮を起こしていた。この伸縮の異方性が、Pd格子の劣化を抑制し、良好な水素センサ特性を誘起しているものと考えられる。
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