研究課題
我々は、癌幹細胞マーカーCD133の標的遺伝子としてp53抑制因子PICT1と薬剤排出に関与するABCG2を同定した。平成25年度は、CD133安定発現株およびPICT1安定発現株を樹立し、PICT1安定発現株を用いて、幹細胞性関連遺伝子の発現および癌の悪性化への関与を検討し、PICT1が癌幹細胞性質獲得に関与するか検討した。(1) PICT1安定発現株の足場依存的な増殖能と非依存的な増殖能を調べた結果、足場依存的増殖能においては有意な差は見られなかったが、足場非依存的増殖能においてはコントロールに比べてコロニー形成数が増加した。さらに、PICT1安定発現株が自己複製能獲得に関与するか解析するため、スフィアアッセイを行った。その結果、PICT1安定発現細胞株では、スフィアの形成効率が亢進していた。これらの結果より、PICT1の発現が癌の悪性化に関与している事が示唆された。(2) PICT1安定発現細胞株で、幹細胞性遺伝子の発現が上昇しているかウェスタンブロットで検討した。その結果、Sox2、Oct4とKLF4の発現が亢進していた。次に、癌幹細胞マーカーの発現を調べた結果、CD13、CD90とCD133の発現が上昇していた。これらの結果より、PICT1は癌幹細胞性の獲得に関与している可能性が示唆された。
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