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2016 年度 実績報告書

ニューディール時代のアメリカ黒人文学文化とナショナリズム

研究課題

研究課題/領域番号 25870777
研究機関実践女子大学

研究代表者

深瀬 有希子  実践女子大学, 文学部, 准教授 (20445696)

研究期間 (年度) 2014-02-01 – 2017-03-31
キーワードアメリカ黒人文学文化 / ニューディール政策 / ナショナリズム / 社会主義 / 壁画
研究実績の概要

本研究は1930年代から40年代にローズヴェルト政権下で設置された「公共事業促進局」による「連邦作家計画」及び「連邦美術計画」に参加したアメリカ黒人作家芸術家の国家観や民族観を分析した。最終年にあたる平成28年は、まとめとしての成果発表と継続研究となる新たなテーマの発見を主たる目的とした。
成果①論文「ニューディール期のアフリカン・アメリカン芸術家による壁画―ヘイズ、シーブルック、ダグラス」(『実践英文学』第69号、2017年2月)。ここでは2014年8月のニューヨーク並びに2015年8月のワシントンDCで入手した一次資料をもとに、アメリカ黒人芸術家による壁画作品の技法と主題の関係を論じた。特にアーロン・ダグラスが、1920年代半ばから1940年代にかけて、ニューヨークからテキサスにおいて行った創作活動が、一方ではかつて1920年代ニューヨークを中心に享受されたモダニズムの技法を維持し、他方では1930年代にアメリカ黒人知識人および芸術家によって受け入れられたメキシコ経由の社会主義思想を合衆国の理念に取り込んでなされた点を明らかにした。
成果②研究発表「モリスンの『ホーム』にみる「保守」としてのセルフ・ヘルプ」(アメリカ文学会東京支部シンポジウム、2016年12月)。本発表では当初の「研究実施計画」には含めなかったトニ・モリスンの作品を中心に扱ったが、そもそも本シンポジウムの「アフリカ系アメリカ人にとっての保守」という主題は、ニューディール文化政策下で作品を創作したゾラ・ニール・ハーストンが、ニューディール批判として1950年代に入ってから提起した概念であり、その点において本発表は、三年間の研究の総括と継続研究の萌芽としての意義を持った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ニューディール期のアフリカン・アメリカン芸術家による壁画―ヘイズ、シーブルック、ダグラス2017

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子
    • 雑誌名

      実践英文学

      巻: 69 ページ: 43-56

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] モリスンの『ホーム』にみる「保守」としてのセルフ・ヘルプ2016

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子
    • 学会等名
      アメリカ文学会東京支部シンポジウム
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2016-12-10
  • [学会発表] Enfacing and Effacing the Cultural Other: Property and Democracy for Bayard Taylor and William Speiden Jr.2016

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Fukase
    • 学会等名
      Pacific Ancient and Modern Language Association Annual Conference
    • 発表場所
      アメリカ合衆国カリフォルニア州パサディナ
    • 年月日
      2016-11-11
    • 国際学会
  • [学会発表] フレデリック・ダグラスとライシーアム2016

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子
    • 学会等名
      黒人研究の会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2016-04-23
  • [図書] 新たなるトニ・モリスン―その小説世界を拓く2017

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子、風呂本惇子、松本昇、鵜殿えりか、森あおい、宮本敬子、峰真衣子、戸田由紀子、木内徹、山野茂、西本あづさ、時里祐子、古川哲史、小林朋子、森あおい、平沼公子、浅井千晶、程文清、ハーン小路恭子、常山菜穂子、清水菜穂
    • 総ページ数
      250(147-158)
    • 出版者
      金星堂

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公開日: 2018-01-16  

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