魚醤の発酵・熟成は原料由来の自己消化酵素に加え、微生物の存在も影響すると考えられる。本研究では微生物のバイオフィルム形成に着目し、発酵メカニズムの解明と応用化を目的とした。 当研究室にてニジマスを原料とする魚醤のもろみ画分より複数の耐塩性バイオフィルム形成細菌が得られ、いずれもStaphylococcus属細菌であった。分離細菌には高いプロテアーゼ生産能を有するものも存在した。もろみよりDNAを抽出し、16S rRNAを対象としたクローン解析の結果、本細菌が優占種として検出された。本細菌を担体等に付着させ、発酵槽に導入することで高い発酵能を得られるものと期待される。
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