生物の身体情報はヒトにとってもヒト以外の種にとっても重要なコミュニケーションメディアであり、その知覚情報処理は我々の知覚システムにとって重要な意味をもつ。本研究では、ロコモーションや身体制約が異なる種間で、生物の身体およびその動きの情報の検出や解釈に関わる知覚特性を比較した。ヒト、ヒト以外の霊長類および鳥類を対象とした行動実験の結果、身体情報の知覚情報処理過程に共通性が見られる一方、時空間的な知覚的統合の程度や身体の生体力学的制約に対する感受性、生物運動パターンの違いに応じた反応特性に種間での相違も見られ、社会的視知覚に生物普遍的な側面と種固有性の両面があることが示唆された。
|