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2013 年度 実施状況報告書

生物の多様性の進化的起源を探る新しい数理モデル

研究課題

研究課題/領域番号 25870800
研究種目

若手研究(B)

研究機関明治大学

研究代表者

若野 友一郎  明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10376551)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード進化ダイナミクス / 集団遺伝学
研究概要

従来の多くの進化理論は、無限集団を仮定した決定論的なモデルであったが、集団遺伝学では集団サイズの有限性による確率的ゆらぎ(遺伝的浮動)が古くから考慮されてきた。Adaptive Dynamicsの枠組みに、遺伝的浮動が入ることで、進化ダイナミクスは実際に質的に変化する。この新しいモデルを用いて、進化的分岐を研究し、生物の多様性の進化的起源を探る新しい数理モデルの構築を目指すことが目的である。
本年度は、形質分布の平均と分散が従うモーメント方程式を用いた解析手法を、well-mixed finite population model (Wakano & Iwasa 2013) だけでなく、deme-structured infinite population model (Wakano & Lehmann 2014) に発展させることに成功し、論文発表を行った。これらの理論的予測は、個体ベースシミュレーションの結果をよく説明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Deme-structured model、すなわち集団が島構造を持つ場合の解析は、一般にかなり複雑になる。本研究においてもそれは例外ではなく、かなり複雑な解析が必要となったが、最終的に解析解を得ることができたのは、重要な進展だと考えている。

今後の研究の推進方策

まずは、分布が2山に分かれる部分の、より明確な記述を試みる。従来の研究では、分岐とは形質分散の爆発的増大としていたが、実際には形質分散の増加に伴って、分布が1山から2山へと変化する。2山分布は正規分布ではないので、研究するドメインを広げる必要がある。予備的な計算は、いくつか進んでいる。
平行して、完全に分岐した状態と、1山のままでいる状態とのバランスについても、研究を遂行中である。

次年度の研究費の使用計画

新しいシミュレーションサーバー環境構築が、間に合わなかったため。
新しいシミュレーションサーバー環境を構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Evolutionary branching in a finite population: Deterministic branching versus stochastic branching2013

    • 著者名/発表者名
      Wakano JY, Iwasa Y
    • 雑誌名

      Genetics

      巻: 193 ページ: 229-241

    • DOI

      10.1534/genetics.112.144980

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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