研究課題/領域番号 |
25870803
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中村 和幸 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (40462171)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | データ同化 / ベイズ推定 |
研究概要 |
データ同化と呼ばれる,数理モデルにもとづく計算機シミュレーションと観測データを結びつけ,新しい知見や良い予測を得る手法について,従来にない統計的モデリングの考え方を入れた新しいアルゴリズムを構築するのが本研究の目的である. データ同化のアルゴリズムにはバッチ型と逐次型のアルゴリズムがあるが,バッチ型アルゴリズムではモデル化誤差を考慮しない方法が主流である.考慮する場合でも,誤差原因や推定における誤差への反映について,逐次型の場合に比して不足している状況であった,そこで,統計的モデリングの視点から近似推定アルゴリズムを整理し,その結果を拡張することで,新しいアルゴリズムを構築することを目指している.このようなアルゴリズムを構築し,妥当性と有効性の検証を行うことで,データ同化における新しい視点の導入とその有効性を明らかにすることが可能となる.同時に,広く使われ始めているデータ同化の応用範囲をさらに広げることが期待される. 本年度は,特に統計数理面での手法検討を進めた.その結果,当初計画していたベイズ推論アルゴリズムについては適用範囲が限られることが分かった.その一方,検討の過程で変分ベイズ法との関連について検討した結果,周辺分布を繰り返し再計算する従来開発していたアルゴリズムが,同じ文脈で整理されることがわかり,当該手法を改良したものが有効である可能性を見出した. また,手法の妥当性と有効性の検証を行うモデルの選定も進めた.その結果,従来よりデータ同化の分野で広く検討され,さらに空間的な連続性に関する評価が可能な Lorenz 96 モデルが検証に向いていると見込まれたため,これを採用した.現在,テスト用のシミュレーションモデルとするプログラムを,従来開発済みのものを改良して作成している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズムの検討面では,当初計画していた基礎アルゴリズムの適用範囲が限られることが明らかになる一方,さらに検討を進めた結果,従来開発していたアルゴリズムの改良によって新しいアルゴリズムが構築できることが判明しており,適切に進捗している.当初計画していた検証プログラムについても,基礎部分が完成している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,検証用プログラムの完成と妥当性検証を進める.さらに,実問題への適用性についての検討も進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
ソフトウェア実装ならびに論文作成に優先して,理論面についての研究を当初予定より進めたことに伴い,当年度に予定していたソフトウェア実装に必要なストレージ費用ならびに論文作成・投稿に関する費用支出が当年度中に必要ではなくなった. 次年度使用額部分については,当初予定通りの使途である論文投稿関連ならびにソフトウェア実装に必要なストレージ費用として使用する.
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