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2013 年度 実施状況報告書

内陸部農村の「出移民」と「不動性」に見る現代中国のジェンダー秩序

研究課題

研究課題/領域番号 25870815
研究種目

若手研究(B)

研究機関早稲田大学

研究代表者

大橋 史恵  早稲田大学, アジア太平洋研究科, 助教 (10570971)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード中国 / ジェンダー / 移住女性 / 留守婦女 / 出移民 / 不動性
研究概要

出移民(emigration)と不動性(immobility)をジェンダー視点から分析する上で、2013年度は農村部から都市部へと移住する女性と「留守婦女」(家族が出稼ぎをしているが自分は村に残っている女性)について初歩的な現状把握を進めた。
8月と3月に現地フィールドワークのため、山西省太原市近郊の農村地域を訪れた。パイロットリサーチとして8月から一部の聞き取りを開始することを考えていたが、実際には急な事情で現地調査協力者のサポートが得られなくなったため、複数の村落や県城を訪れて実地観察を行うに留まった。しかしこの期間には、太原市と北京市の図書館や書店で資料や文献を収集することができた。また北京市では、農村のジェンダー問題に関わる活動を行っている社会実践家や関連領域の研究者から知識提供を得た。帰国後にはこうした作業を通じて得られた資料や文献を精読し、現地の女性の移動の現状やその背後の社会経済構造について理解することにつとめた。また、3月には複数の村落や県城で、家族と離れて村を出る女性と、夫が出稼ぎに行った後で村に残っているの双方を対象に聞き取りを開始することができた。
今後の研究では、対象村落を限定しつつ継続して聞き取りを行い、女性の出移民/不動性がジェンダー関係にどのような変化をもたらすのかをとらえる予定である。
なお、現時点までの考察の成果の一部を2014年1月に現代中国学会の定例研究会で報告した。さらにこの内容をまとめた論文を執筆し、学術誌に投稿中である(審査中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2014年度のフィールドワークは8月の時点では予定よりやや遅れたが、当初からパイロットリサーチのための作業を想定していたこともあり大きな問題は起きていない。問題の背景を理解する上で必要な資料や文献を収集できていること、社会実践家・研究者からの知識提供を得られたことで、つつがなく本研究を推進することができている。また3月の現地調査では農村女性を対象に聞き取りを開始することができた。

今後の研究の推進方策

本研究では、数週間にわたるフィールドワークを年に2度程度実施することを予定していた。しかし今年度の研究を経て、現地協力者とのスケジュール調整に変更が出たときや日中関係の悪化といった事情があるとき、予定していたような現地訪問ができなくなる可能性があることがわかった(とりわけ日中戦争時の拠点であった背景から山西省では対日感情が悪化しやすい)。申請者自身の業務状況からも、2週間を超える海外滞在は難しい。今後は場合によってこうした状況を鑑み、聞き取り調査を小規模におさえて定点的・継続的な観察を中心とした調査を行う、資料収集によって情報の不足を得るといった対応が必要になると思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「再編される再生産領域と家事・ケア労働者の雇用――北京の中間層世帯調査から」

    • 著者名/発表者名
      大橋史恵
    • 学会等名
      日本現代中国学会関東部会定例研究会
    • 発表場所
      東京大学

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公開日: 2015-05-28  

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