研究課題
多人数が参加する会話に自然に参加し,その場を活性化させ自己目的的に会話が楽しまれている状況を創る手助けをするロボットシステムの開発を行った.特に本課題では,発話機会を思うように与えられない「置いてけぼり」状態になっておいる参加者を救いながら「最大多数の最大参加」を促す活性化戦略を有するロボットの開発を行うことを目的としている.25年度には,会話を制御するための主導権の奪取手続きについて検討を行った.具体的には,「置いてけぼり」状態の参加者が検出された際に,現在主導的に進行している会話にロボットが一度積極的に参加し段階的に主導権を奪取し,その上でロボットが自らターゲットにアプローチしていくという,多段の手続きを発動させる.この一連の手続きを強化学習(部分観測マルコフ決定過程:POMDP)の枠組みでモデル化し,被験者実験およびシミュレーション実験を通して,手続きを用いることの有用性とPOMDP手法の有利性を示した.26年度は,ロボットが手続きを発動させるタイミングを詳細に検討した.ここでは発動させるタイミングを,他の参加者同士の「ひと続きの会話」が終わった時点とした(ひと続きの会話の途中で割り込むと会話の場を壊してしまうため).このひと続きの単位を,会話分析で用いられる「隣接ペア」の概念を導入して定義し,隣接ペアの認識を系列ラベリングの問題として定式化した.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
Journal of Computer Speech and Language
巻: Volume 33, Issue 1 ページ: 1-24
10.1016/j.csl.2014.12.001
情報処理
巻: 55, no. 9 ページ: 952-954